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第21回海洋運送業雑学講座

皆さんこんにちは!
合資会社大坪組、更新担当の中西です。

 

【シリーズ6】
**海洋運送のトラブルとその対策
〜航海中・港で起こり得る問題とプロたちの解決術〜**

 

海洋運送は、世界の物流を支える重要なインフラです。
しかし、広大な海と複雑な港湾で荷物を動かす過程では、
天候・機器・人・手続きなど、さまざまな要因によってトラブルが発生する可能性があります。

 

今回は、航海中のトラブル と 港でのトラブル を中心に、
海運業を支えるプロたちがどのように問題を防ぎ、
どのように解決しているのかをわかりやすく紹介します。

 

■ 1. 海洋運送の特徴:トラブルが起こりやすい理由
海の物流は、陸上とは違う“独自のリスク”があります。

 

【海洋運送が不確実性を抱える理由】
天候変化が激しい
船舶が巨大で制御が難しい
航路が国際的に広範囲
機器が大規模で故障リスクが高い
通関・検疫など手続きが複雑
港の混雑状況が日々変動

 

だからこそ、海運のプロたちは
「トラブルを防ぐための管理」と
「発生時の最速の対応」
の両方に取り組んでいます。

 

■ 2. 航海中に起こりやすいトラブル
まずは、海上でよく発生する問題を解説します。

 

■ トラブル① 天候による遅延・寄港不能
台風・暴風・高波・濃霧などは船の大敵。

 

【具体的な影響】
船速が落ちて遅延
荒天で針路変更
港湾がクローズし入港できない
甲板上のコンテナが揺れて転倒の危険

 

【対策】
最新気象情報の常時確認
予測システムによる航路の事前修正
波の高さに応じた速度調整
必要な場合は安全な港へ避難(避泊)
海では“無理をしない”ことが最大の安全策です。

 

■ トラブル② 機関トラブル(エンジン・発電機)
船のエンジンは心臓部。
長い航海では稼働時間が膨大なため、故障リスクがあります。

 

【主な原因】
部品の劣化
過熱
燃料の異常
油圧・冷却系のトラブル

 

【対策】
船内エンジニアによる毎日の点検
予備部品の常備
センサーによる遠隔監視
定期ドックでの精密メンテナンス

故障が起きても、船内の機関士が素早く原因を特定します。

 

■ トラブル③ コンテナ落下・荷崩れ
大きな揺れによって、積載コンテナがずれることがあります。

 

【リスク】
海上落下(重大事故)
荷物破損
バランス崩壊による沈没リスク

 

【対策】
専用器具によるラッシング(固定)
荷役プランナーによる積付け計画
荒天時の追加固定
船体バランスの自動制御

 

「積み方」こそ、プロの腕が最も問われる部分です。

 

■ 3. 港で起こりやすいトラブル
船が港に着いた後も、問題は数多く存在します。

 

■ トラブル④ 港の混雑による待機
大規模港は世界中から船が押し寄せるため、
接岸するまで何時間も待つことがあります。

 

【対策】
港湾局によるスロット管理
事前の入港予約
荷役計画を事前に共有
混雑状況をリアルタイム確認

 

港の“渋滞”は世界の物流にも影響するため、
管理体制は年々強化されています。

 

■ トラブル⑤ 荷役機械の故障
クレーン・ストラドルキャリア・フォークリフトなど、
港湾機器が停止すると荷役が止まり、物流全体が麻痺します。

 

【対策】
常駐メカニックによる点検
予備機材の確保
部品交換のルール化
メーカー技術者との連携

 

港は巨大な工場と同じ。
機器が止まれば、物流が止まります。

 

■ トラブル⑥ 通関・検査の遅延
貿易に必要な“通関手続き”。
書類不備や審査強化により、貨物が止まることがあります。

 

【対策】
通関士による書類チェック
電子申請で不備を減らす
仕向地の規制情報を常時更新
X線検査の事前調整

 

通関は物流の「出口」。
ここがスムーズだと全体が速くなります。

 

■ トラブル⑦ 港湾労働ストライキ
海外では労働争議により港が止まるケースもあります。

 

【対策】
代替港への経路変更
一時的な荷物の別国経由
荷主・船会社との調整
バーススケジュールの再交渉

 

港が止まることは大問題ですが、
海運会社は複数の“バックアップ港”を持っているため対応できます。

 

■ 4. トラブルを“未然に防ぐ”仕組み
海運業界では、トラブル発生後の対応だけでなく、
「発生させない仕組みづくり」 が進んでいます。

 

【予防①:ITとデータ管理の活用】
船体のセンサー監視
気象データのAI予測
港湾混雑のリアルタイム表示
コンテナ位置の自動トラッキング
デジタル化は、海運の安全性を飛躍的に高めています。

 

【予防②:国際ルールの統一】
SOLAS条約(船舶の安全)
ISPSコード(港湾保安)
ISMコード(安全管理)

 

世界共通の基準によって、
最低限の安全が保たれています。

 

【予防③:人材教育の強化】
船員のシミュレーター訓練
荷役スタッフの安全講習
機関士の定期訓練
港湾作業員の危険予知活動

 

「人のミスを減らす仕組み」も強化されています。

 

■ 5. まとめ
海洋運送は、天候・機器・手続き・人など、
多くの要因によってトラブルが発生する可能性があります。

 

しかしその裏で、海運・港湾業界は
高度な技術 × 経験 × チーム力 を組み合わせて、
物流を止めない努力を続けています。

天候対応

エンジン点検

荷物固定

港湾混雑の調整

通関業務の効率化

多職種連携

IT活用

 

これらの仕組みによって、
“世界の物流” は毎日動き続けています。

 

私たちの生活に当たり前に届く商品。
その裏には、海と港で働く多くのプロたちの努力があるのです。

 

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